その母趾の付け根の痛み、走り続けても大丈夫?
2026年10月2日
金沢文庫駅徒歩1分のアクティブレスト整骨院です。ランニングを習慣にしている方、週末にフットサルやテニスを楽しむ方、デスクワークの合間に歩数を稼いでいる方から、「親指の付け根がズキッとするけど、走れないほどではないから」と、痛みを抱えたまま活動を続けているお話をよく伺います。その母趾の付け根の痛み、走り続けても大丈夫でしょうか。デスクワーク中心の生活でも、通勤で長く歩いたり、週末にまとめて運動したりすることで同じ場所に負荷が集中する方は少なくありません。今回は、足の裏側にある小さな骨まわりの痛みについて、最近発表された海外の研究をもとに整理します。
母趾の付け根に潜む「種子骨」というパーツ
親指の付け根の裏側には、米粒よりひと回り大きい二つの小さな骨が埋め込まれています。これが種子骨です。地面を蹴り出す動作のたびに体重の多くがこの部分を通過するため、ランニングやジャンプ、切り返しの動作を繰り返すスポーツでは、負荷がここに集中しやすくなります。捻挫のようなはっきりした受傷起点がないまま、練習を重ねるうちにじわじわ痛み出すのが特徴です。パフォーマンスへの影響が小さいうちに気づけるかどうかが、その後の分かれ道になります。トレーニングの負荷を急に増やした直後や、シーズン中で走行距離が伸びている時期に出やすい点も、覚えておきたいポイントです。
見逃しやすいチェックポイント
- 母趾の付け根を押すとズキッと響く
- ダッシュや切り返しの蹴り出しで痛む
- 練習後や長距離を走った日の夜に強く感じる
- 患部がわずかに腫れている、熱を持っている
- 硬い路面を走ると響くように痛む
これらに心当たりがある場合、無理に練習量を維持しようとすると、かえって回復までの時間が長引くことがあります。「大会が近いから」「練習を休みたくないから」と痛みを抱えたまま続けてしまう方を、当院でも数多く見てきました。外反母趾や神経の圧迫による痛みと感じ方が似ていることもあるため、自己判断だけで様子を見続けるより、痛みの出る動作とタイミングを整理しておくと状態を伝えやすくなります。
負荷が一点に集中するメカニズム
2025年に医学誌「Medicina」で発表されたBizらの系統的文献レビューでは、11の研究にまたがる59例の個人データを統合し、種子骨炎に対する保存的なケアの実態が整理されました。挙げられている発症要因は、かかとの高い靴や底の薄い靴、長時間の立位や歩行に加え、ランニングやダンスなど前足部に繰り返し体重が乗る動作です。足のアーチが高めの方や、体重が前足部に乗りやすいフォームの方は、特に負荷が集中しやすいとされています。装具や活動量の調整といった保存的な取り組みを行った症例のうち、約66%で痛みの指標が改善したという結果も示されており、トレーニングを完全にゼロにしなくても、状態を整えられる余地があることが読み取れます。この研究では、種子骨炎に対する統一された指針がこれまで存在しなかった点にも触れられており、ランナーやダンサーだけでなく、立ち仕事や長時間の歩行が多い方にも同様に起こりうるとまとめられています。金沢文庫周辺でトレーニングされる方にも、決して縁遠い話ではありません。
シューズと走り方が生む差
同じ距離を走っていても、シューズのソールの厚みや蹴り出しのタイミングによって、母趾球にかかる負荷は大きく変わります。つま先で強く地面を蹴るフォームほど、種子骨まわりへの負担が増えやすい傾向にあります。反対に、接地から蹴り出しまでを足裏全体でスムーズに流せるフォームなら、負荷は分散しやすくなるでしょう。普段のシューズがすり減っていないか、クッション性が落ちていないかも、あわせて見ておきたいポイントです。走行距離が一定を超えたシューズを使い続けている方は、痛みの再発を繰り返しやすい傾向も見られますので、複数のシューズをローテーションで使うのも一つの手です。ウォームアップの段階で足指をしっかり動かしておくことも、負荷を分散させるうえで意外と見落とされがちなポイントです。
見直したいトレーニングの組み立て方
痛みがあるときにまず有効なのは、負荷の総量を一時的に落とすことです。距離を減らす、坂道やスプリントを控える、路面を柔らかいものに変えるなど、選択肢はいくつもあります。あわせて、練習後のアイシングや、足を高くして休ませる時間を意識的に確保することも助けになります。ここで無理に予定していた大会に向けて距離を伸ばしてしまうと、コンディションを崩したまま本番を迎えることになりかねません。段階を踏んで負荷を戻していく組み立て方が、結果的に早い動ける身体づくりにつながります。目安としては、痛みなく普段どおりのウォーキングができるようになった段階でジョグを再開し、そこから徐々にスピードと距離を戻していく流れが無理のない進め方です。
我慢して動き続けるとどうなるか
種子骨炎の多くは、すぐに競技を止めなければならないほどの重篤な状態ではありません。ただし、痛みをかばうフォームで走り続けると、膝や股関節、腰にまで負担が波及し、別の部位のケガにつながることがあります。実際に、母趾の痛みをかばって着地の仕方を変えた結果、反対側の膝に痛みが出て来院された方もいらっしゃいました。一つの違和感を放置したことで、複数箇所のリカバリーが必要になるケースは、決して珍しくありません。結果として、競技や運動そのものから離れる期間が長引いてしまうのは、本人にとっても大きな痛手です。デスクワーク中心の方であっても、痛みをかばう歩き方が数週間続けば、通勤時の歩行や階段の上り下りだけで疲労感が抜けにくくなることもあります。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。痛みが強い、腫れが引かない、しびれを伴うといった場合は、レントゲンなどの画像検査が必要になることもありますので、無理をせず早めにご相談ください。
アクティブレスト整骨院でのアプローチ
当院ではまず、痛みの出るタイミングや強さ、普段のトレーニング内容、シューズの特徴を詳しく伺います。ウォーキングが中心の方も、競技として本格的に取り組んでいる方も、目的や活動量に合わせて確認する項目は変わってきます。そのうえで足関節や足指の可動域、着地から蹴り出しまでの動きを確認し、負荷が集中しているポイントを探ります。手技によるアプローチで足底やふくらはぎの緊張をゆるめたあと、練習量をどう組み立て直すか、フォームのどこを意識すると負担が分散しやすいかを一緒に整理します。競技や種目に応じて、いつから元の練習強度に戻していくかという段階的な計画も、具体的にお伝えしています。焦らず順序立てて身体を立て直すことが、長い目で見たパフォーマンスの維持につながります。初回はできる限り実際の動きを見せていただき、着地の癖や重心の位置を確認したうえで、その方の競技特性に合わせたコンディション管理の方向性を提案しています。
早めのご相談を
「これくらいなら練習を休むほどではない」と感じる痛みほど、実は初期のサインであることが多いものです。金沢文庫駅から徒歩1分という立地を生かして、練習前後や仕事帰りにも立ち寄りやすい環境を整えています。走ることや動くことを楽しみ続けるためにも、違和感を覚えた段階でご相談ください。大会やイベントの予定がある方は、そこから逆算したリカバリー計画もあわせてご提案できます。
これから意識したいこと
母趾の付け根の痛みは、種子骨という小さな骨への繰り返し負荷が関係していることがあります。シューズ選びやフォーム、トレーニング量の組み立て方を見直すことで、負荷のかかり方は変えられます。動ける身体を保つためにも、その痛みと向き合うところから始めてみませんか。小さな違和感のうちに整えておくことが、これからも走り続けるための一番の近道です。
参考文献
Biz C, et al. "Conservative Treatment of Sesamoiditis: A Systematic Literature Review with Individual-Level Pooled Data Analysis." Medicina (MDPI), 2025;61(7):1215. https://doi.org/10.3390/medicina61071215





