背骨のカーブを守る3つの体幹習慣
2026年10月20日
金沢文庫駅徒歩1分のアクティブレスト整骨院です。
トレーニングやスポーツを楽しんでいる方でも、加齢とともに背骨のカーブがゆるやかに変化していくことをご存知でしょうか。今回は、成人になってから進行することがある「成人脊柱変形」について、2025年に発表された海外の総説をもとに、体幹づくりの視点からご紹介します。
成人脊柱変形とパフォーマンスの関係
成人脊柱変形は、椎間板や関節の変性、加齢による筋力低下が重なって、背骨のカーブが少しずつ乱れていく状態です。若い頃はしなやかに動いていた背骨も、体幹の支持力が落ちてくると、フォームの崩れやパフォーマンスの低下につながることがあります。特に長時間のデスクワークとトレーニングを両立している方は、姿勢のクセが積み重なりやすい傾向があります。
競技を長く続けている方ほど「多少の違和感は練習で慣れる」と考えがちですが、体幹の支持力が落ちた状態でトレーニング量だけを維持しようとすると、特定の部位への負荷が偏りやすくなります。学生時代から運動を続けている方が、社会人になってデスクワーク中心の生活に変わったタイミングで違和感を覚え始めるケースも少なくありません。
こんなサインに気づいていますか
- ランニングや筋トレ中に左右で体の使い方に差を感じる
- フォームを直してもすぐに元の姿勢に戻ってしまう
- トレーニング後に片側の腰まわりだけ張りが強く残る
- 長時間座った後、立ち上がるときに背中が伸びにくい
- 以前よりジャンプの着地で体幹がぶれやすくなった
- デスクワークのあとにジムへ行くと、最初の種目でいつも体が入りにくい
論文から見える保存的アプローチ
Journal of Clinical Medicine誌に2025年に掲載されたレビューでは、成人脊柱変形に対して装具・運動療法・認知的リハビリテーションを組み合わせたプログラムが症状の管理に役立つ可能性があると整理されています。運動療法は保存的なアプローチの中心的な位置づけとして扱われており、体幹の筋力や姿勢制御を高めていくことが重要とされています。
一方で、痛みや神経症状が強く出ている場合には、医療機関での専門的な評価が必要になるとも述べられています。トレーニングを継続する上でも、無理に鍛えて乗り切るのではなく、状態を正しく把握したうえで負荷を調整する視点が欠かせません。自己流の判断だけで負荷を増減させるより、専門家の目を交えて状態を確認しながら調整していくほうが、結果として長くパフォーマンスを維持しやすくなります。
姿勢のクセとトレーニング習慣
デスクワークで骨盤が後傾した姿勢が長く続くと、体幹の深層筋がうまく働きにくくなり、背骨を支える力が弱まっていきます。その状態でトレーニングを続けると、フォームが崩れやすくなり、特定の部位にばかり負荷が集中してしまうことがあります。スクワットやデッドリフトのようなフォームの正確さが求められる種目では、この崩れが顕著に表れやすくなります。
パフォーマンスを維持するためには、種目の負荷そのものだけでなく、日常の姿勢や休息の取り方まで含めて見直すことが欠かせません。移動中や仕事の合間にできる簡単な体幹の意識づけだけでも、積み重なる負担の量は変わってきます。
例えば、椅子に座っているときに骨盤を軽く立てる意識を持つ、電車の中でつり革につかまりながら体幹に軽く力を入れる、といった小さな積み重ねが、トレーニング時のフォームの安定にもつながっていきます。デスクワークの合間に一度立ち上がって背伸びをするだけでも、長時間同じ姿勢でいることによる負担を減らす助けになります。
種目によって出やすい変化
ランニングを続けている方は、片側の骨盤の傾きがフォームに影響し、着地時の衝撃の吸収が左右で不均等になりやすい傾向があります。ウエイトトレーニングを行っている方は、スクワットやデッドリフトのようにバーを支える姿勢で、体幹の左右差がフォームの崩れとして表れやすくなります。
球技やジャンプ動作が多い競技では、着地の瞬間に体幹が安定しないと、膝や足首など下肢の関節に負担が波及することもあります。ご自身が取り組んでいる種目の特性に合わせて、どの部位に注意を払うべきかを把握しておくことが、無理のないトレーニング継続につながります。
リカバリーとの関わり
トレーニングの負荷ばかりに目が向きがちですが、睡眠の質や休息日の取り方も、体幹の回復力に影響を与えます。疲労が抜けきらないまま姿勢が崩れた状態でトレーニングを重ねると、フォームの乱れがさらに定着しやすくなることがあります。オフの日にウォーキングや軽いストレッチを取り入れて、体幹まわりの緊張をリセットする時間をつくることもおすすめしています。
そのままにしておくと
姿勢の変化を放置すると、体幹まわりの筋バランスがさらに崩れ、特定の部位への負担が慢性化しやすくなります。片側だけの張りや違和感を我慢しながらトレーニングを続けると、フォームの崩れが定着し、再発を繰り返す原因になることもあります。競技復帰を急ぐあまり違和感を後回しにしてしまうと、結果的に離脱期間が長引くケースも見られます。しびれや強い痛みを伴う場合は注意が必要です。※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。
当院でのサポート
当院では、まず立ち姿勢や歩行、簡単な動作チェックを行い、体幹の使い方に左右差がないかを確認します。しゃがみ込みやランジのような複合的な動きの中で、どの部位に負担が偏りやすいかも合わせて見ていきます。
そのうえで、硬さの出やすい部位への手技によるアプローチと、体幹の支持力を高めるエクササイズを組み合わせてご提案しています。競技特性や普段のトレーニング内容に合わせて、無理のない負荷から段階的に取り入れていくことを意識しています。フォームの見直しは一朝一夕にはいきませんが、体幹の使い方が変わることで、動きの質が安定してくることがあります。
長くスポーツや運動を続けていくためにも、背骨まわりの状態を定期的に確認しておくことをおすすめしています。シーズン前後のタイミングでチェックを受けておくと、変化に早く気づきやすくなります。
トレーニング歴が長い方ほど、ご自身の体の使い方に一定のクセができあがっていることが多く、そのクセ自体を急に変えようとすると、かえって動きがぎこちなくなることもあります。当院では、これまで積み上げてきたフォームを尊重しながら、負担が偏っている部分だけを少しずつ調整していくことを心がけています。
ご相談ください
「まだ動けているから大丈夫」と思っていても、姿勢のクセは少しずつ積み重なっていきます。体の左右差やフォームの崩れが気になる方は、一度当院にご相談ください。
よくいただくご質問
「トレーニングを続けながらでも通えますか」というご質問を多くいただきます。基本的には競技や日々の運動を続けながら並行して取り組んでいただける内容でご提案しており、トレーニング内容や大会のスケジュールに合わせて負荷の調整方法もお伝えしています。
「体幹トレーニングをすれば姿勢の変化は防げますか」と聞かれることもありますが、トレーニングだけに頼るのではなく、日常の座り方や休息の取り方まで含めて見直すことが、長期的な体幹の安定につながると考えています。
「痛みが出てから来た方がいいですか」というご質問には、違和感の段階でご相談いただくほうが、フォームの調整もスムーズに進みやすいとお答えしています。パフォーマンスを落とさずに競技を続けていくためにも、早めのチェックをおすすめしています。
まとめ
成人になってからの背骨のカーブの変化は、加齢や筋力低下、姿勢のクセが重なって進んでいくことが多いとされています。体幹を支える運動療法が症状の管理に役立つ可能性がある一方、症状が強い場合は医療機関での評価も必要です。日々の姿勢とトレーニング習慣を見直しながら、動ける体を長く維持していきましょう。
参考文献
Zlatanos CG, et al. "Nonoperative Treatment of Adult Spinal Deformity: A Comprehensive Narrative Review." Journal of Clinical Medicine, 2025. DOI: 10.3390/jcm14248864





