股関節の外側の痛みが「動ける身体」の壁になっていませんか ─ 大転子疼痛症候群へのコンディショニングアプローチ
2026年06月4日
金沢文庫駅徒歩1分のアクティブレスト整骨院です。
「ランニングやウォーキングをしていると股関節の外側が痛くなる」「スポーツ後にお尻の横がズキズキする」「階段を下りるときに股関節外側に違和感がある」──そのような状態が続いていませんか。
動き続けたい人にとって、股関節の外側の痛みは見過ごしにくい問題です。今回は、こうした股関節外側の不調の原因のひとつとして知られる「大転子疼痛症候群(GTPS)」について、2024年に国際誌『Physiotherapy』に掲載されたシステマティックレビュー・メタ解析の知見をもとに、アクティブに動ける身体を維持するためのコンディショニングの視点からお伝えします。
大転子疼痛症候群とは?
大転子(だいてんし)とは、大腿骨(太ももの骨)の上端外側にある骨の突起です。股関節を横に開く動き(外転)を担う中殿筋・小殿筋の腱がここに付着しており、繰り返しの負荷や動作パターンの乱れによって腱や周囲組織に変性が蓄積することで、股関節外側〜お尻横にかけての痛みが生じます。これを大転子疼痛症候群(Greater Trochanteric Pain Syndrome:GTPS)と呼びます。
以前は「大転子滑液包炎」と呼ばれることが多かった状態ですが、近年の研究では外転筋腱の変性が中心的な病態である場合が多いとされ、包括的な概念であるGTPSという呼称が定着してきています。
走る・跳ぶ・方向転換するなど股関節に繰り返し負荷をかけるスポーツをする方、また長時間の歩行や立ち仕事に従事するアクティブな方にも見られる状態です。
こんなサインが出ていませんか
- 股関節の外側〜お尻の横に痛みや圧痛がある
- ランニング・ウォーキングの途中や後に症状が増す
- 階段の昇降、特に下りで股関節外側が痛む
- 横向き就寝時に患側が気になる
- 脚を内側に向けると症状が出やすい
- ストレッチ後も外転筋周囲の重さが残る感覚がある
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。変形性股関節症・腰椎由来の関連痛との区別が重要な場合があります。
コンディション低下の背景にある要因
2024年のKjeldsenらによるシステマティックレビュー・メタ解析(Physiotherapy誌、6つのRCT・733名を対象)では、GTPSに対する運動療法が安全かつ有用な保存的選択肢として報告されています。ただし、運動プロトコルの標準化不足が課題として挙げられており、個人の状態に合わせたテーラーメードのアプローチが重要とされています。
状態の背景にある要因として以下が挙げられます。
外転筋の機能低下・疲弊
中殿筋・小殿筋は、走行・方向転換・バランス保持など多くの動作で骨盤の安定に貢献しています。これらの筋群が疲弊または弱化すると、大転子周囲の腱への負担が集中しやすくなります。コンディション低下は気づかないうちに進行していることが多く、注意が必要です。
動作パターンの乱れ
膝が内側に崩れる(knee valgus)動き、体幹が片側に傾くランニングフォーム、過度な股関節内旋など、下肢のアライメント不良が大転子への圧迫を増大させる要因となります。身体の使い方のクセが積み重なることで、特定の組織に過剰な負担がかかりやすくなります。
体幹安定性の不足
骨盤の横揺れが大きいと大転子へのストレスが高まります。コアスタビリティと股関節のコントロールは密接に関連しており、体幹が安定しないとパフォーマンス全体に影響が出ます。
オーバーユース・急激な負荷増大
ランニング距離の急増、坂道・段差が多いコースへの急な移行、トレーニング頻度の急上昇など、組織の適応を超えた負荷増加がGTPSの発症・悪化につながる場合があります。リカバリーとのバランスが重要です。
身体の使い方と日常習慣の影響
パフォーマンスを支える「股関節の外転機能」は、日常の動作習慣と密接に関連しています。
- 膝が内側に入りやすい走り方・歩き方の習慣
- デスクワーク中の脚を組む姿勢
- 股関節まわりのストレッチやウォームアップが不十分なままトレーニングしている
- トレーニング後のリカバリー(クールダウン・休息)の不足
- 片側に重心がかかりやすい立ち方
使い方の癖を見直すことが、コンディションを立て直す第一歩になります。「いつも同じ側が痛む」という方は、身体の使い方のパターンを確認することが大切です。
放置するとどうなるか
股関節外側の痛みをかばいながら動き続けると、腰・膝・反対側の股関節への二次的な負担が増え、全体的なコンディション低下につながります。また、外転筋の使用回避が続くことで筋力がさらに低下し、動作パターンの乱れが固定化されていく可能性があります。
「少し痛いけど動けるから大丈夫」と放置してしまうと、気づいたときには慢性化していたというケースも少なくありません。早期にコンディションを確認し、身体の使い方を立て直すことが、長く動き続けるために重要です。
当院での対応について
アクティブレスト整骨院では、股関節外側の不調に対して以下のコンディショニングアプローチを行っています。
動きのチェック
股関節の可動域・外転筋の筋力・骨盤の安定性・下肢アライメントを確認します。ランニングや歩行時のフォームの癖、どの動作パターンが症状に関わっているかを見ていきます。動きの全体像から状態を捉えることを大切にしています。
手技によるコンディショニング
外転筋群・腸脛靭帯・骨盤まわりの筋肉の緊張をほぐしながら、股関節・骨盤・腰椎のアライメントを整える手技を行います。「動ける状態に近づける」ことを意識し、組織の状態を手技でリセットします。
身体の使い方のアドバイス
ランニングフォームや日常の姿勢の改善ポイント、外転筋を鍛えるためのセルフエクササイズ、リカバリーの取り方など、具体的な提案を行います。コンディションを自分でマネジメントできる力をつけることを大切にしています。
こんな方はぜひご相談ください
- ランニング・ウォーキング中に股関節外側が痛む方
- スポーツ後にお尻の横がだるい・痛む方
- 股関節外側の痛みでトレーニングを制限せざるを得ない方
- 膝が内側に入りやすい、体幹が傾きやすいと感じる方
- 股関節まわりのコンディショニングを見直したい方
- 同じ場所が繰り返し痛む、という状態から抜け出したい方
まとめ
大転子疼痛症候群は、外転筋腱や大転子周囲への繰り返しの負荷によって生じる股関節外側の不調です。2024年のKjeldsenらのシステマティックレビューでも、運動を中心とした保存的アプローチの有用性が報告されており、身体の使い方の修正と機能回復がコンディショニングの鍵となります。
アクティブレスト整骨院では、股関節外側の不調に対して手技と動きのチェックを組み合わせ、「動ける身体」を取り戻すためのサポートをしています。「股関節の外側が気になる」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
Kjeldsen T, Hvidt KJ, Bohn MB, Mygind-Klavsen B, Lind M, Semciw AI. “Exercise compared to a control condition or other conservative treatment options in patients with Greater Trochanteric Pain Syndrome: a systematic review and meta-analysis of RCTs.” Physiotherapy. 2024. PMID: 38295551. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38295551/





